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夕刊5/1(木)

明日の株式相場に向けて=「セルインメイ」で渦巻く思惑

ざっくりまとめ

米国のGDPとインフレ指標の解釈

米国のGDPはマイナス成長でしたが、インフレ指標は落ち着いており、市場では利下げ期待が高まりました。

日銀金融政策決定会合と円安

日銀は現状維持となりましたが、経済見通しの下方修正と円安進行により、株価は上昇しました。

セルインメイと今後の戦略

過去10年間の5月相場は上昇傾向ですが、高値圏での買いはリスクが高いため、押し目を待つのが賢明です。

マクロ経済指標と需給状況を踏まえつつ、押し目を狙って投資戦略を立てるべきです。

※このまとめはGoogleのGemini(生成AI)により自動で作成されました。文章の正確性は保証されておらず、誤りが含まれる場合があります。

 名実ともに5月相場入りとなった1日の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比406円高の3万6452円と大幅続伸。後場に入り主力株中心に買いが厚くなったが、値下がり銘柄数が全体の6割を占めるなど、投資家の体感温度からはカイ離した地合いでもあった。来週末9日のオプションSQ算出をにらみながら、指数売買による影響も色濃く、市場では「日経平均3万6500円のコールに商いの厚さが目立っており、ここに誘導する動きが観測される」(ネット証券マーケットアナリスト)という指摘がある。ファンダメンタルズよりも需給思惑に振らされている感触は否めない。

 前日の米国時間に時計の針を戻す。米国株市場では朝方は1~3月期の米実質GDP(速報値)が3年ぶりのマイナス成長となったことを受け景気後退懸念がまたぞろ再燃し、NYダウは一時800ドル近い急落を余儀なくされた。しかしそこからの切り返しも鮮烈で、結局140ドルあまり上昇して引けたのは売り方にすれば呆然の値運びであったかもしれない。1~3月期GDPの1時間半後に開示された3月のPCEデフレーターは総合指数、コア指数ともに前月比で横ばいとなり、インフレ警戒感が緩和され「FRBが利下げしやすくなった」というのが、市場のセンチメントを変えた根拠とされている。だが実際、それらの解釈も玉虫色で、米国もファンダメンタルズを横にらみに動いている感じはしない。GDPのマイナス成長とコンセンサスを下回るPCEデフレーターは、元来ベクトルの向きは同じであり株価に逆方向のバイアスはかからない理屈である。

 ともあれ、東京市場では「幻の米GDPショック」で波乱に見舞われることはなかったが、目先はおっかなびっくりで、きょうは日経平均の上値も重いであろうというのが大方のコンセンサスであったと思われる。昼ごろ結果が判明する日銀の金融政策決定会合については現状維持が既定路線だったが、引け後の植田日銀総裁の記者会見ではややタカ派的な発言がみられるのではないかという思惑も漂い、これも様子見ムードを助長しやすい。

 ところが、日銀金融政策決定会合の結果発表と同じタイミングで開示された展望リポートが後場のマーケットの雰囲気をガラリと変えた。25年度と26年度の経済成長率について1月時点から下方修正され、物価見通しも引き下げたが、「この予想を見る限り、植田総裁の会見を待たずともタカ派寄りの政策スタンスには傾きようがない」(生保系エコノミスト)という認識が急速に広がった。外国為替市場であっという間に円が売られ、1ドル=144円台まで一気に円安が進行、つれて株式市場でも日経平均寄与度の大きいハイテクセクターを中心に投資マネーの攻勢に弾みがついた。

 ただ、冒頭に記したように3万6500円のコールをメルクマールとする動きであったとすると、目標達成でそろそろ方向転換があっても不思議はない。現地時間1日の午後に赤沢経済再生担当相とベッセント米財務長官の協議が行われるが、ここでドル高・円安の流れに水を差される可能性も多分にある。東京市場では欧米株高の流れに追随し、直近6営業日にわたって強力な上値追いトレンドを形成してきたが、信用買い残が減少する中での「無人のエレベーター相場」で、投資家の歓喜の声が聞こえてこない。ここから、このエレベーターに乗り込むよりは冷静に押し目を待つのが正しい選択肢といえそうだ。

 もっとも少し長めのタームでみれば、5月相場は買いに分がある月である。ウォール街で有名な「Sell in May(セルインメイ)」は少なくとも日本では正鵠を射た金言ではない。直近10年間を振り返って5月の月間騰落は8勝2敗、つまり8割の確率で月末の方が高くなっている。であれば、今買っても勝てるという判断は成り立つが、6営業日合計で2200円以上も水準を切り上げたところで出動するのは合理的ではない。決算プレーなど投機的な短期売買は別として、総論的には押し目を買い下がるスタンスが基本となる。日経平均の日足チャートの形は確かに食指が動く良い形であるが、週足でみると4月第1週に開けたマドを埋めたところがいったんの戻りメドを暗示している。具体的には本格化する企業の決算発表が鬼門であり、これが一巡する5月中旬までに買い場を探す流れがイメージされる。

 あすのスケジュールでは、3月の有効求人倍率、3月の失業率、4月のマネタリーベース、週間の対外・対内証券売買契約、4月の財政資金対民間収支など。また、3カ月物国庫短期証券の入札も行われる。国内主要企業の決算では三菱商事<8058.T>など大手総合商社のほか日本航空<9201.T>が発表を予定。海外では1~3月期の香港国内総生産(GDP)、4月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値、3月のユーロ圏失業率のほか、4月の米雇用統計にマーケットの関心が高い。3月の米製造業受注も発表される。(銀)

出所:MINKABU PRESS

このニュースに関連する銘柄

三菱商事 8058
2,687 -25 (-0.9%) 5/1終値
日本航空 9201
2,599.5 +18 (+0.7%) 5/1終値

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