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夕刊7/17(木)

明日の株式相場に向けて=投資家泣かせ「逃げ水相場」の個別戦略

ざっくりまとめ

政局不透明感の中でも堅調な相場

参院選後を見極めたい投資家の思惑があるものの、日経平均株価は堅調に推移しています。

米国株市場の強さと欧州株市場の軟化

米国株市場は堅調に推移する一方、欧州株市場は勢いが弱まってきています。

AI関連やデータセンター関連への注目

生成AI市場拡大によるクラウド事業者への追い風や、データセンター関連銘柄への関心が高まっています。

短期的な視点で、複数の有望テーマに分散投資する戦略が有効でしょう。

※このまとめはGoogleのGemini(生成AI)により自動で作成されました。文章の正確性は保証されておらず、誤りが含まれる場合があります。

 きょう(17日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比237円高の3万9901円と反発。参院選の投開票を目前に控えるなか、この結果を見極めたいというニーズがマーケットには漂っている。自民党の大苦戦については既に投資マインドへの織り込みが進んでいるはずだが、参院選後の政局がどのような景色となっていくのかが容易には想像できない。自公の議席数の減らし方の度合いにもよるが、連立なのか解散総選挙に向かうのか、石破首相は続投するのか、それとも石破おろしの動きとなるのか、現時点では皆目分からず見切り発車が難しい局面にある。しかし、株式市場は政局が五里霧中といえる状況にもかかわらず、しぶとく買いが続いている。ネット証券大手の店内手口でも先物買いを始めとして、個人の強気傾斜が確認されているという。

 海外に目を向けると、足もと欧州株市場ではひと頃の勢いがなくなってきている。欧州株高の先導役で今月上旬に最高値圏を走っていた独DAXは中旬以降に軟化し、前日まで5日続落と利食い急ぎの動きが観測される。特段嫌気される材料はないが、やはり米関税政策との距離感が依然として掴めないもどかしさのようなものが上値を重くしている。

 しかし、そんな欧州を横目に米国株市場はどこ吹く風で頑強な地合いを維持している。相変わらずトランプ米大統領の“朝令暮改”発言に振り回される状況には違いなく、前日もパウエルFRB議長の解任打診報道でマーケットは急速に下に振らされる場面があったのだが、トランプ氏が前言撤回に至るまでにかかった時間は朝令暮改を超えるスピードであった。トランプ発言に絡むヘッドライントレードでは、もはや代名詞にもなっているTACOトレードが今回も奏功する形となり、NYダウ、ナスダック総合株価指数ともに午後の取引で立ち直り、ナスダック指数は最高値を更新する形で引けている。

 東京市場では、前日は東京エレクトロン<8035.T>とアドバンテスト<6857.T>が日経平均を引っ張り上げる形で小幅な下げにとどまったが、きょうは両銘柄とも小幅ながらマイナス圏で引けた。ところが、きょうは皮肉なことに両銘柄の後押しがない中で日経平均はほぼ高値引けとなっている。前日の米国株市場ではASML<ASML>が急落に見舞われた。4~6月期決算を発表し、内容自体は市場コンセンサスを上回る好調であったが、今期ではなく来期、つまり26年12月期の収益成長シナリオに同社CEOが懐疑的な見解を示したことが嫌気されたものだ。その影響もあってASMLと強固な取引関係を構築しているレーザーテック<6920.T>を筆頭に、半導体製造装置関連には逆風となった。そして、この流れで注目されたのが、きょうの午後2時半に発表されたTSMC<TSM>の4~6月期決算である。最終利益は前年同期比6割強の大幅増益で事前予想を上回る好決算であったが、これに反応したのはディスコ<6146.T>くらいであった。まさに相場は気まぐれである。そのディスコは引け後に決算を発表したが、時間外で大きく売り込まれる状況となっている。

 逃げ水のような投資家泣かせの何とも難しい地合いというよりない。今は短期スタンスを前提に的を絞らず有力テーマを連鎖的に横に広げて広角打法で銘柄を拾っていくのがベターであろう。例えば、前日の米国株市場ではソフトバンクグループ<9984.T>傘下の英半導体設計アーム<ARM>が、ハイパースケーラー(大規模クラウド事業者)向けの特定用途向け半導体を設計しているとの観測をもとに投資判断引き上げの対象となり、一時5.4%高と値を飛ばしたが、ここで注目したいのは生成AI市場の急拡大でクラウド事業者も飛躍期を迎えているという点だ。東京市場に視点を移し、この流れに乗る銘柄としてサイボウズ<4776.T>の上昇波動の強さに着目したい。また、ハイパースケーラーの台頭で、データセンター関連にも物色の波が改めて押し寄せている。大手ではヒューリック<3003.T>、中小型ではシーイーシー<9692.T>がデータセンター事業者として押し目買い好機にみえる。また、プラットフォーム関連ではdely<299A.T>が下値切り上げの強いチャートを形成中だ。

 更にAI関連という切り口でも仕切り直す動きが観測されている。AIサービスはクラウド依存では限界もあるということから、エッジAIというコンセプトが浮上しているが、関連有力株として目を向けておきたいのが、先月も当欄で取り上げたヘッドウォータース<4011.T>だ。このほか先月ピックアップしたサイオス<3744.T>も良い動きとなってきた。穴株では、今月初旬に紹介した電子カルテを展開する医療DX関連で、AIを積極活用するCEホールディングス<4320.T>を要チェック対象としたい。

 あすのスケジュールでは、6月の全国消費者物価指数(CPI)が朝方取引開始前に発表され、マーケットの関心を集めそうだ。また、前場取引時間中に3カ月物国庫短期証券の入札が行われる。なお、この日はIPOが1社予定されており、東証スタンダード市場にみのや<386A.T>が新規上場する。海外では4~6月期マレーシア国内総生産(GDP)のほか、6月の米住宅着工・許可件数、7月の米消費者態度指数(ミシガン大学調査・速報値)などが注目される。(銀)

出所:MINKABU PRESS

このニュースに関連する銘柄

dely 299A
1,914 +87 (+4.8%) 7/17終値
東京エレクトロン 8035
27,770 -120 (-0.4%) 7/17終値
アドバンテスト 6857
11,705 -90 (-0.8%) 7/17終値
レーザーテック 6920
17,260 -865 (-4.8%) 7/17終値
ディスコ 6146
46,970 +890 (+1.9%) 7/17終値
ソフトバンクグループ 9984
10,695 +245 (+2.3%) 7/17終値
サイボウズ 4776
3,930 +80 (+2.1%) 7/17終値
ヒューリック 3003
1,447.5 +2.5 (+0.2%) 7/17終値
シーイーシー 9692
2,197 +16 (+0.7%) 7/17終値

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